2025.05.05

相続の話になると、「法定相続分」や「具体的相続分」という言葉を耳にすることがあります。
これらは似ているようで、意味も役割もまったく違うものです。
今回は、「相続分」と「具体的相続分」の違いをやさしく解説します。

「相続分」って、相続人が何人いたら、何割ずつって決まってるアレのこと?

そう、それが「法定相続分」です。法律で定められている、相続人が受け取る財産の割合のことです。
たとえば、配偶者と子ども1人の場合、配偶者が1/2、子どもが1/2が原則的な相続分です。
「具体的相続分」は、実際に遺産をどのように分けるかを決めた割合です。
法定相続分はあくまで原則。実際には、生前の介護や援助、特別な事情などを加味して、相続人ごとに調整されることがあります。

たとえば長男が親の介護を10年間担っていた場合、「長男は多めに相続する」という具体的な配分が話し合いで決まることがあります。これが具体的相続分です。
| 項目 | 法定相続分 | 具体的相続分 |
|---|---|---|
| 決め方 | 法律で定められている | 遺産分割協議などで実際に決める |
| 役割 | 原則的な目安 | 実際の分配 |
| 基準 | 親族関係・順位 | 介護、特別寄与、生前贈与など |
| 変更可否 | 原則固定 | 話し合いや裁判で変動あり |
「うちは法定相続分で分ければいいよね」と思っていても、実際には生活状況や感情的な問題も絡むため、もめることが少なくありません。
特に、特別な寄与があった場合や、生前贈与があった場合には注意が必要です。
感情や立場の違いでトラブルが起こりやすい場面です。
適切な助言を受けながら、納得のいく分け方を検討したい方は、ぜひ私たち専門家へご相談ください。